テーブルクロスの成り立ち
西洋の食事の形式やテーブルセッティングは中世ヨーロッパから始まり、フランス・イタリア・ドイツ等における国を超えた王族の結婚で、それぞれの生活様式が持ち込まれ発展してきました。
中世ヨーロッパ
食事はお肉が中心。
いわゆる”テーブル”家具はまだなく、台に板をのせてテーブル状にしていました。
板そのままでは汚れもあるため、食事の際に大きな白い布をかけて食卓を作ったことが、テーブルクロスの始まりと言われています。
食卓ではお皿はなく、トランショワールと呼ばれる一枚の厚切りパンのようなものを替わりにしていました。お肉は食卓で切り、手づかみで食べていたため、テーブルクロスは汚れた手を拭き取る用途も担っていました。
トランショワールを食べることは”はしたないこと”とされていたため、野良犬に与えたり、使用人が持ち去り貧民街に売っていたそうです。
18世紀後半 ナポレオン3世ごろ
17世紀より木のお皿や錫などの金属器が一般に使われてきましたが、18世紀後半に中国より白い陶磁器が伝わった影響で、ヨーロッパで同等のものを作る競争が盛んになり、陶器が広く使われるようになりました。
銀食器はそれまでも上流階級を中心に使われていましたが、富と権力の象徴として装飾などの表現がより豊かに発展していきました。
このころから、燭台・蓋つき鉢・香辛料入れなどがテーブルのセンターピースとして食卓に並べられるようになりました。
19世紀
この頃になってやっと食事の型やテーブルセッティングが確立されました。
テーブル家具自体にも装飾が施され、実用だけでなくインテリアとしても使用されるようになりました。
また、テーブルの装飾を楽しむため、テーブルクロスは食事の時のみ使用し、食後は外して片付けるようになりました。
金・銀製品は、国家資金調達のため溶解されたため陶器の人気が上がり、お皿の種類も増え、同時に、コース料理の食事形式が確立されたのです。
【フランス式】:給仕が食事を持ってきて、ゲスト自身が取り分ける
【イギリス式】:給仕がすべてサービス
【ロシア式(ゲリドンサービス)】:給仕が料理をサイドテーブルで盛り付ける
厨房で盛り付けてからのサービスは”皿盛りサービス”。料理に蓋をかぶせて持ってきて客の目の前で蓋をあけるサービスは”クロシュサービス”といいます。